長老たちはダビデに油を注ぎ、イスラエルの王とした

サムエル下5・1-3 長老たちはダビデに油を注ぎ、イスラエルの王とした サムエル記 その日、5・1イスラエルの全部族はヘブロンのダビデのもとに来てこう言った。「御覧ください。わたしたちはあなたの骨肉です。2これまで、サウルがわたしたちの王であったときにも、イスラエルの進退の指揮をとっておられたのはあなたでした。主はあなたに仰せになりました。『わが民イスラエルを牧するのはあなただ。あなたがイスラエルの指導者となる』と。」 3イスラエルの長老たちは全員、ヘブロンの王のもとに来た。ダビデ王はヘブロンで主の御前に彼らと契約を結んだ。長老たちはダビデに油を注ぎ、イスラエルの王とした。 答唱詩編詩編122・1+2、3+4ab、4cd+5 わたしたちは神の民、そのまきばの群れ。 詩編122 122・1「神の家に行こう」と言われて、 わたしの心は喜びにはずんだ。 2エルサレムよ、わたしたちは今、 おまえの門のうちに立っている。 3しげく連なる町、エルサレム、 すべての民の都。 4abそこにはイスラエルの部族、 神の民がのぼって来る。 4cdイスラエルのおきてに従い、 神に感謝をささげるために。 5そこにはさばきの座、 ダビドの家の座がすえられている。 第二朗読コロサイ1・12-20 御父は、わたしたちを愛する御子の支配下に移してくださった 使徒パウロのコロサイの教会への手紙 皆さん、わたしたちは、1・12光の中にある聖なる者たちの相続分に、あなたがたがあずかれるようにしてくださった御父に感謝しています。13御父は、わたしたちを闇の力から救い出して、その愛する御子の支配下に移してくださいました。14わたしたちは、この御子によって、贖い、すなわち罪の赦しを得ているのです。15御子は、見えない神の姿であり、すべてのものが造られる前に生まれた方です。16天にあるものも地にあるものも、見えるものも見えないものも、王座も主権も、支配も権威も、万物は御子において造られたからです。つまり、万物は御子によって、御子のために造られました。17御子はすべてのものよりも先におられ、すべてのものは御子によって支えられています。18また、御子はその体である教会の頭です。御子は初めの者、死者の中から最初に生まれた方です。こうして、すべてのことにおいて第一の者となられたのです。19神は、御心のままに、満ちあふれるものを余すところなく御子の内に宿らせ、20その十字架の血によって平和を打ち立て、地にあるものであれ、天にあるものであれ、万物をただ御子によって、御自分と和解させられました。 福音朗読ルカ23・35-43 アレルヤ、アレルヤ。主の名によって来られるかたに賛美。わたしたちの父、ダビドの国に祝福がありますように。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音 そのとき、23・35議員たちはイエスをあざ笑って言った。「他人を救ったのだ。もし神からのメシアで、選ばれた者なら、自分を救うがよい。」36兵士たちもイエスに近寄り、酸いぶどう酒を突きつけながら侮辱して、37言った。「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ。」38イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札も掲げてあった。 39十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」40すると、もう一人の方がたしなめた。「お前は神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。41我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」42そして、「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」と言った。43するとイエスは、「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と言われた。

見よ、わたしは大きな苦痛を負って、異郷にあって死ぬばかりである。

①マカバイ6・1-13 見よ、わたしは大きな苦痛を負って、異郷にあって死ぬばかりである。 マカバイ記 6・1アンティオコス王は、高地の国々を通過していたとき、豊富な金と銀で有名なエリマイスという町がペルシアにあることを耳にした。2その町の神殿は、驚くほど富んでいて、金の兜、胸当て、武器などがあったが、それはマケドニア人の王、フィリポスの子アレキサンドロスが残していったものである。このアレキサンドロスはギリシア人を統治した最初の人物である。3アンティオコスはその町の占領と略奪をもくろんで出陣したが、たくらみが事前に市民に漏れてしまったので、成功しなかった。4人々が彼に戦いを挑もうと立ち上がったからである。彼は恐れをなし、心を残しつつも、途中からくびすを返しバビロンへ戻ろうとした。5すると、ペルシアにいる彼のところに一人の男がやって来て、報告をもたらした。「ユダの地への派遣軍は敗走しました。6リシアスは最強の軍隊を率いて進軍しましたが、撃退されてしまいました。ユダヤ軍は、撃破した部隊から奪い取った多数の武器、装備、戦利品で軍を強化し、7王がエルサレムの祭壇にお建てになった『憎むべきもの』を引きずり下ろし、聖所を以前のように高い塀で囲み、王の町であったベトツルも同様に固めました。」 8この言葉を聞いて、王は愕然として激しく震えだし、寝台に倒れ、心痛のあまり病気になってしまった。事が思うようにならなかったからである。9激痛が繰り返し襲ったので、彼は何日もそこにとどまることを余儀なくされた。彼は死が迫っていることを悟った。10彼は友人全員を呼び寄せて言った。「眠りはわたしの目を離れ、心労のため精も根も尽き果てた。11わたしは自問した。『なぜこんなにひどい苦痛に遭わされ、大波にもまれなければならないのか。権力の座にあったときには、憐れみ深く、人々には愛されていたのに』と。12しかし今、エルサレムで犯した数々の悪行が思い出される。わたしは不当にも、その町の金銀の調度品全部をかすめ、ユダの住民を一掃するため兵を送った。13わたしには分かった。こうした不幸がわたしにふりかかったのは、このためなのだ。見よ、わたしは大きな苦痛を負って、異郷にあって死ぬばかりである。」 答唱詩編詩編66・1+2+4、7+8 主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。 詩編66 66・1すべての人よ、神に向かって喜びの声をあげよ。 2神の栄えをほめうたい、その栄光を賛美せよ。 4「すべての人はあなたを伏し拝み、 み名をたたえて喜びうたう。」 7神は力を現してとこしえに治め、 諸国に目を注ぎ、逆らう者を高ぶらせない。 8すべての民よ、わたしたちの神をたたえ、 賛美の歌を響かせよ。 福音朗読ルカ20・27-40 アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音 そのとき、20・27復活があることを否定するサドカイ派の人々が何人か近寄って来て、イエスに尋ねた。28「先生、モーセはわたしたちのために書いています。『ある人の兄が妻をめとり、子がなくて死んだ場合、その弟は兄嫁と結婚して、兄の跡継ぎをもうけねばならない』と。29ところで、七人の兄弟がいました。長男が妻を迎えましたが、子がないまま死にました。30次男、31三男と次々にこの女を妻にしましたが、七人とも同じように子供を残さないで死にました。32最後にその女も死にました。33すると復活の時、その女はだれの妻になるのでしょうか。七人ともその女を妻にしたのです。」34イエスは言われた。「この世の子らはめとったり嫁いだりするが、35次の世に入って死者の中から復活するのにふさわしいとされた人々は、めとることも嫁ぐこともない。36この人たちは、もはや死ぬことがない。天使に等しい者であり、復活にあずかる者として、神の子だからである。37死者が復活することは、モーセも『柴』の個所で、主をアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神と呼んで、示している。38神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神なのだ。すべての人は、神によって生きているからである。」39そこで、律法学者の中には、「先生、立派なお答えです」と言う者もいた。40彼らは、もはや何もあえて尋ねようとはしなかった。

見よ、我らの敵は粉砕された。都に上り、聖所を清め、これを新たに奉献しよう。

①マカバイ4・36-37、52-59 見よ、我らの敵は粉砕された。都に上り、聖所を清め、これを新たに奉献しよう。 マカバイ記 その日、4・36ユダと兄弟たちは言った。「見よ、我らの敵は粉砕された。都に上り、聖所を清め、これを新たに奉献しよう。」37そこで全軍が集結し、シオンの山を目指して上って行った。 52第百四十八年の第九の月――キスレウの月――の二十五日に、彼らは朝早く起き、53焼き尽くす献げ物のための新しい祭壇の上に律法に従っていけにえを供えた。54異教徒が祭壇を汚したのと同じ日、同じ時に、歌と琴、竪琴とシンバルに合わせて、その日に祭壇を新たに奉献した。 55民は皆、地に顔を伏せて拝み、彼らを正しく導いてくださった方を天に向かってたたえた。56こうして祭壇の奉献を八日にわたって祝い、喜びをもって焼き尽くす献げ物をささげ、和解の献げ物と感謝の献げ物のいけにえを屠った。57彼らはまた神殿の正面を黄金の冠と小盾で飾り、門と祭司部屋を再建し、戸を取り付けた。58民の間には大きな喜びがあふれた。こうして異邦人から受けた恥辱は取り除かれたのである。 59ユダとその兄弟たち、およびイスラエルの全会衆はこの祭壇奉献の日を、以後毎年同じ時期、キスレウの月の二十五日から八日間、喜びと楽しみをもって祝うことにした。 答唱詩編詩編147・1+2、3+6 栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。 詩編147 147・1神をたたえ、賛美の歌をうたおう。 神をたたえることは美しく正しい。 2神はエルサレムを建て直し、 その散らされた者を集められる。 3神は失意の人々を支え、 その傷をいやされる。 6へりくだる人を支え、 逆らう者を地に倒される。 福音朗読ルカ19・45-48 アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音 そのとき、19・45イエスは神殿の境内に入り、そこで商売をしていた人々を追い出し始めて、46彼らに言われた。「こう書いてある。 『わたしの家は、祈りの家でなければならない。』 ところが、あなたたちはそれを強盗の巣にした。」 47毎日、イエスは境内で教えておられた。祭司長、律法学者、民の指導者たちは、イエスを殺そうと謀ったが、48どうすることもできなかった。民衆が皆、夢中になってイエスの話に聞き入っていたからである。

律法に情熱を燃やす者、契約を固く守る者はわたしに続け。

②マカバイ7・1、20-31 七人の兄弟が母親と共に捕らえられた。 マカバイ記 その日、7・1七人の兄弟が母親と共に捕らえられ、鞭や皮ひもで暴行を受け、律法で禁じられている豚肉を口にするよう、王に強制された。 20それにしても、称賛されるべきはこの母親であり、記憶されるべき模範であった。わずか一日のうちに七人の息子が惨殺されるのを直視しながら、主に対する希望のゆえに、喜んでこれに耐えたのである。21崇高な思いに満たされて、彼女は、息子たち一人一人に父祖たちの言葉で慰めを与え、女の心情を男の勇気で奮い立たせながら、彼らに言った。22「わたしは、お前たちがどのようにしてわたしの胎に宿ったのか知らない。お前たちに霊と命を恵んだのでもなく、わたしがお前たち一人一人の肢体を組み合わせたのでもない。23人の出生をつかさどり、あらゆるものに生命を与える世界の造り主は、憐れみをもって、霊と命を再びお前たちに与えてくださる。それは今ここで、お前たちが主の律法のためには、命をも惜しまないからだ。」 24アンティオコスは侮辱されたと感じ、その声に非難の響きを聞き取った。彼は、いちばん末の息子がまだ生きていたので、言葉で勧告するだけでなく、誓いをもって、「もし先祖の慣習を捨てるなら、富と最高の幸福を保障し、王の友人として遇し、仕事も与えよう」と約束した。25だが、若者が全く耳を貸そうとしないので、王は母親を呼び寄せて、少年を救うために一役買うようにと勧めた。26王があまりに強く勧めるので、母親は息子を説得することを承知した。27しかし母親は、若者の上に身をかがめ、残酷な暴君をあざけってから、父祖たちの言葉で言った。「わが子よ、わたしを憐れんでおくれ。わたしはお前を九か月も胎に宿し、三年間乳を含ませ、養い、この年になるまで導き育ててきました。28子よ、天と地に目を向け、そこにある万物を見て、神がこれらのものを既に在ったものから造られたのではないこと、そして人間も例外ではないということを知っておくれ。29この死刑執行人を恐れてはなりません。兄たちに倣って、喜んで死を受け入れなさい。そうすれば、憐れみによってわたしは、お前を兄たちと共に、神様から戻していただけるでしょう。」 30彼女が語り終えるとすぐ、若者は王に言った。「何を待っているのだ。わたしは王の命令などに耳は貸さない。わたしが従うのは、モーセを通して我々の先祖に与えられた律法の命令である。31しかし、ヘブライ人に対して悪辣非道を重ねてきたあなたは、神の御手を逃れることはできないのだ。」 答唱詩編詩編17・1+2、6+7 主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編17 17・1神よ、わたしの正しい訴えと叫びに心を留め、 いつわりのない祈りに耳を傾けてください。 2正しいさばきをわたしに現し、 分けへだてのない目を注いでください。 6神よ、あなたに叫ぶわたしに答え、 耳を傾けて、願いを聞いてください。 7あなたのもとに逃れる者を力強く救い、 いつくしみのわざを現してください。 福音朗読ルカ19・11-28 アレルヤ、アレルヤ。あなたがたを世から選んだのは、あなたがたは行って実を結び、その実が残るためである。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音 そのとき、イエスは19・11一つのたとえを話された。エルサレムに近づいておられ、それに、人々が神の国はすぐにも現れるものと思っていたからである。12イエスは言われた。「ある立派な家柄の人が、王の位を受けて帰るために、遠い国へ旅立つことになった。13そこで彼は、十人の僕を呼んで十ムナの金を渡し、『わたしが帰って来るまで、これで商売をしなさい』と言った。14しかし、国民は彼を憎んでいたので、後から使者を送り、『我々はこの人を王にいただきたくない』と言わせた。15さて、彼は王の位を受けて帰って来ると、金を渡しておいた僕を呼んで来させ、どれだけ利益を上げたかを知ろうとした。16最初の者が進み出て、『御主人様、あなたの一ムナで十ムナもうけました』と言った。17主人は言った。『良い僕だ。よくやった。お前はごく小さな事に忠実だったから、十の町の支配権を授けよう。』18二番目の者が来て、『御主人様、あなたの一ムナで五ムナ稼ぎました』と言った。19主人は、『お前は五つの町を治めよ』と言った。20また、ほかの者が来て言った。『御主人様、これがあなたの一ムナです。布に包んでしまっておきました。21あなたは預けないものも取り立て、蒔かないものも刈り取られる厳しい方なので、恐ろしかったのです。』22主人は言った。『悪い僕だ。その言葉のゆえにお前を裁こう。わたしが預けなかったものも取り立て、蒔かなかったものも刈り取る厳しい人間だと知っていたのか。23ではなぜ、わたしの金を銀行に預けなかったのか。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きでそれを受け取れたのに。』24そして、そばに立っていた人々に言った。『その一ムナをこの男から取り上げて、十ムナ持っている者に与えよ。』25僕たちが、『御主人様、あの人は既に十ムナ持っています』と言うと、26主人は言った。『言っておくが、だれでも持っている人は、更に与えられるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられる。27ところで、わたしが王になるのを望まなかったあの敵どもを、ここに引き出して、わたしの目の前で打ち殺せ。』」 28イエスはこのように話してから、先に立って進み、エルサレムに上って行かれた。

七人の兄弟が母親と共に捕らえられた。

②マカバイ7・1、20-31 七人の兄弟が母親と共に捕らえられた。 マカバイ記 その日、7・1七人の兄弟が母親と共に捕らえられ、鞭や皮ひもで暴行を受け、律法で禁じられている豚肉を口にするよう、王に強制された。 20それにしても、称賛されるべきはこの母親であり、記憶されるべき模範であった。わずか一日のうちに七人の息子が惨殺されるのを直視しながら、主に対する希望のゆえに、喜んでこれに耐えたのである。21崇高な思いに満たされて、彼女は、息子たち一人一人に父祖たちの言葉で慰めを与え、女の心情を男の勇気で奮い立たせながら、彼らに言った。22「わたしは、お前たちがどのようにしてわたしの胎に宿ったのか知らない。お前たちに霊と命を恵んだのでもなく、わたしがお前たち一人一人の肢体を組み合わせたのでもない。23人の出生をつかさどり、あらゆるものに生命を与える世界の造り主は、憐れみをもって、霊と命を再びお前たちに与えてくださる。それは今ここで、お前たちが主の律法のためには、命をも惜しまないからだ。」 24アンティオコスは侮辱されたと感じ、その声に非難の響きを聞き取った。彼は、いちばん末の息子がまだ生きていたので、言葉で勧告するだけでなく、誓いをもって、「もし先祖の慣習を捨てるなら、富と最高の幸福を保障し、王の友人として遇し、仕事も与えよう」と約束した。25だが、若者が全く耳を貸そうとしないので、王は母親を呼び寄せて、少年を救うために一役買うようにと勧めた。26王があまりに強く勧めるので、母親は息子を説得することを承知した。27しかし母親は、若者の上に身をかがめ、残酷な暴君をあざけってから、父祖たちの言葉で言った。「わが子よ、わたしを憐れんでおくれ。わたしはお前を九か月も胎に宿し、三年間乳を含ませ、養い、この年になるまで導き育ててきました。28子よ、天と地に目を向け、そこにある万物を見て、神がこれらのものを既に在ったものから造られたのではないこと、そして人間も例外ではないということを知っておくれ。29この死刑執行人を恐れてはなりません。兄たちに倣って、喜んで死を受け入れなさい。そうすれば、憐れみによってわたしは、お前を兄たちと共に、神様から戻していただけるでしょう。」 30彼女が語り終えるとすぐ、若者は王に言った。「何を待っているのだ。わたしは王の命令などに耳は貸さない。わたしが従うのは、モーセを通して我々の先祖に与えられた律法の命令である。31しかし、ヘブライ人に対して悪辣非道を重ねてきたあなたは、神の御手を逃れることはできないのだ。」 答唱詩編詩編17・1+2、6+7 主は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深い。 詩編17 17・1神よ、わたしの正しい訴えと叫びに心を留め、 いつわりのない祈りに耳を傾けてください。 2正しいさばきをわたしに現し、 分けへだてのない目を注いでください。 6神よ、あなたに叫ぶわたしに答え、 耳を傾けて、願いを聞いてください。 7あなたのもとに逃れる者を力強く救い、 いつくしみのわざを現してください。 福音朗読ルカ19・11-28 アレルヤ、アレルヤ。あなたがたを世から選んだのは、あなたがたは行って実を結び、その実が残るためである。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音 そのとき、イエスは19・11一つのたとえを話された。エルサレムに近づいておられ、それに、人々が神の国はすぐにも現れるものと思っていたからである。12イエスは言われた。「ある立派な家柄の人が、王の位を受けて帰るために、遠い国へ旅立つことになった。13そこで彼は、十人の僕を呼んで十ムナの金を渡し、『わたしが帰って来るまで、これで商売をしなさい』と言った。14しかし、国民は彼を憎んでいたので、後から使者を送り、『我々はこの人を王にいただきたくない』と言わせた。15さて、彼は王の位を受けて帰って来ると、金を渡しておいた僕を呼んで来させ、どれだけ利益を上げたかを知ろうとした。16最初の者が進み出て、『御主人様、あなたの一ムナで十ムナもうけました』と言った。17主人は言った。『良い僕だ。よくやった。お前はごく小さな事に忠実だったから、十の町の支配権を授けよう。』18二番目の者が来て、『御主人様、あなたの一ムナで五ムナ稼ぎました』と言った。19主人は、『お前は五つの町を治めよ』と言った。20また、ほかの者が来て言った。『御主人様、これがあなたの一ムナです。布に包んでしまっておきました。21あなたは預けないものも取り立て、蒔かないものも刈り取られる厳しい方なので、恐ろしかったのです。』22主人は言った。『悪い僕だ。その言葉のゆえにお前を裁こう。わたしが預けなかったものも取り立て、蒔かなかったものも刈り取る厳しい人間だと知っていたのか。23ではなぜ、わたしの金を銀行に預けなかったのか。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きでそれを受け取れたのに。』24そして、そばに立っていた人々に言った。『その一ムナをこの男から取り上げて、十ムナ持っている者に与えよ。』25僕たちが、『御主人様、あの人は既に十ムナ持っています』と言うと、26主人は言った。『言っておくが、だれでも持っている人は、更に与えられるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられる。27ところで、わたしが王になるのを望まなかったあの敵どもを、ここに引き出して、わたしの目の前で打ち殺せ。』」 28イエスはこのように話してから、先に立って進み、エルサレムに上って行かれた。

心では、主を畏れ、むしろそれを喜んで耐えているのだ。

②マカバイ6・18-31 心では、主を畏れ、むしろそれを喜んで耐えているのだ。 マカバイ記 その日、6・18律法学者として第一人者で、既に高齢に達しており、立派な容貌の持ち主であったエレアザルも、口をこじあけられ、豚肉を食べるように強制された。19‐20しかし彼は、不浄な物を口にして生き永らえるよりは、むしろ良き評判を重んじて死を受け入れることをよしとし、それを吐き出し、進んで責め道具に身を任そうとした。これこそ、生命への愛着があるとはいえ、口にしてはならないものは断固として退けねばならない人々の取るべき態度である。21ところがそのとき、禁じられたいけにえの内臓を食べさせる係の者たちは、エレアザルと旧知の間柄であったので、ひそかに彼に席を外させて、王が命じたいけにえの肉を口にした振りをして、彼自身が用意し、持参している清い肉を食べることを勧めた。22そうすれば、彼は死を免れ、その上、彼らとの昔からの友情のゆえに優遇されることになるからであった。23これに対して、彼は筋の通った考えを持っていて、その年齢と老年のゆえの品位、更に新たに加わった立派な白髪、だれにもまさった幼いときからの生き方にふさわしく、とりわけ神が定められた聖なる律法に従って、毅然とした態度でちゅうちょすることなく、「わたしを陰府へ送り込んでくれ」と言った。24「我々の年になって、うそをつくのはふさわしいことではない。そんなことをすれば、大勢の若者が、エレアザルは九十歳にもなって異教の風習に転向したのか、と思うだろう。25その上彼らは、ほんのわずかの命を惜しんだわたしの欺きの行為によって、迷ってしまうだろう。またわたし自身、わが老年に泥を塗り、汚すことになる。26たとえ今ここで、人間の責め苦を免れえたとしても、全能者の御手からは、生きていても、死んでも逃れることはできないのだ。27だから今、男らしく生を断念し、年齢にふさわしい者であることを示し、28若者たちに高貴な模範を残し、彼らも尊く聖なる律法のためには進んで高貴な死に方ができるようにしよう。」こう言い終わると、直ちに責め道具の方へ歩いて行った。29今し方まで、彼に好意を寄せていた人々も、この語られた言葉のゆえに、反感を抱くようになった。彼らはエレアザルの気が違ったのだと思った。30鞭の下で、まさに息絶えんとしたとき、彼はうめき声をあげて言った。「聖なる知識を持っておられる主は、すべてのことを見通しておられる。わたしは死を逃れることもできたが、鞭打たれ、耐え難い苦痛を肉体で味わっている。しかし、心では、主を畏れ、むしろそれを喜んで耐えているのだ。」31彼はこのようにして世を去った。その死はただ単に若者ばかりか、少なからぬ同胞の心に高潔の模範、勇気の記念として残されたのである。 答唱詩編詩編18・3、47+50 神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。 詩編 18・3神はわたしの砦、わたしの岩、 わたしの救い、身を避ける岩、 わたしの神、わたしの盾、 わたしのやぐら、救いの力。 47わたしを支える岩、 わたしを救われる神に栄光と賛美。 50神よ、諸国の民の中であなたをたたえ、 わたしはあなたの名を喜びうたう。 福音朗読ルカ19・1-10 アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの罪のゆるしのために、ひとり子を遣わされた。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音 そのとき、19・1イエスはエリコに入り、町を通っておられた。2そこにザアカイという人がいた。この人は徴税人の頭で、金持ちであった。3イエスがどんな人か見ようとしたが、背が低かったので、群衆に遮られて見ることができなかった。4それで、イエスを見るために、走って先回りし、いちじく桑の木に登った。そこを通り過ぎようとしておられたからである。5イエスはその場所に来ると、上を見上げて言われた。「ザアカイ、急いで降りて来なさい。今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい。」6ザアカイは急いで降りて来て、喜んでイエスを迎えた。7これを見た人たちは皆つぶやいた。「あの人は罪深い男のところに行って宿をとった。」8しかし、ザアカイは立ち上がって、主に言った。「主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かだまし取っていたら、それを四倍にして返します。」9イエスは言われた。「この人もアブラハムの子なのだから。10人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである。」

イスラエルには律法に背く者どもが現れました。

①マカバイ1・10-15、41-43、54-57、62-64 イスラエルには律法に背く者どもが現れました。 マカバイ記 そのころ、1・10悪の元凶、アンティオコス・エピファネスが現れた。彼はアンティオコス王の王子でローマに人質として送られていたが、ギリシア人の王朝の第百三十七年に王として即位した。11この間、イスラエルには律法に背く者どもが現れ、「周囲の異邦人と手を結ぼう。彼らと関係を断ってから万事につけ悪いことばかりだから」と、多くの者に説いて回っていた。12人々の目にはこれは得策だと映ったので、13民の中のある者たちは進んで王のもとに出かけて行き、異邦人の慣習を採用する許可を受けた。14こうして彼らは異邦人の流儀に従ってエルサレムに錬成場を建て、15割礼の跡を消し、聖なる契約を離れ、異邦人と軛を共にし、悪にその身を引き渡した。 41王は領内の全域に、すべての人々が一つの民族となるために、42おのおの自分の慣習を捨てるよう、勅令を発した。そこで異邦人たちは皆、王の命令に従った。43また、イスラエルの多くの者たちが、進んで王の宗教を受け入れ、偶像にいけにえを献げ、安息日を汚した。 54第百四十五年、キスレウの月の十五日には、王は祭壇の上に「憎むべき破壊者」を建てた。人々は周囲のユダの町々に異教の祭壇を築き、55家々の戸口や大路で香をたき、56律法の巻物を見つけてはこれを引き裂いて火にくべた。57契約の書を隠していることが発覚した者、律法に適った生活をしている者は、王の裁きにより処刑された。 62だがイスラエル人の多くはそれにも屈せず、断固として不浄のものを口にしなかった。63彼らは、食物によって身を汚して聖なる契約に背くよりは、死を選んで死んでいった。64こうしてイスラエルは神の大いなる激しい怒りの下に置かれたのである。 答唱詩編詩編119・57+72、160+162 主よ、あなたは永遠のいのちのことば。 詩編119 119・57神よ、あなたはわたしのすべて。 あなたのことばをわたしは守る。 72あなたの教えはすばらしい。 すべての金銀にまさる。 160あなたのことばは真理に基づく。 正しいさばきはとこしえに変わることがない。 162すばらしい宝を見つけた人のように、 わたしはあなたの仰せを喜ぶ。 福音朗読ルカ18・35-43 アレルヤ、アレルヤ。わたしは世の光。わたしに従う人は命の光を持っている。アレルヤ、アレルヤ。 ルカによる福音 18・35イエスがエリコに近づかれたとき、ある盲人が道端に座って物乞いをしていた。36群衆が通って行くのを耳にして、「これは、いったい何事ですか」と尋ねた。37「ナザレのイエスのお通りだ」と知らせると、38彼は、「ダビデの子イエスよ、わたしを憐れんでください」と叫んだ。39先に行く人々が叱りつけて黙らせようとしたが、ますます、「ダビデの子よ、わたしを憐れんでください」と叫び続けた。40イエスは立ち止まって、盲人をそばに連れて来るように命じられた。彼が近づくと、イエスはお尋ねになった。41「何をしてほしいのか。」盲人は、「主よ、目が見えるようになりたいのです」と言った。42そこで、イエスは言われた。「見えるようになれ。あなたの信仰があなたを救った。」43盲人はたちまち見えるようになり、神をほめたたえながら、イエスに従った。これを見た民衆は、こぞって神を賛美した。

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